四角いところを丸く削ぐ

夢も魔法もメイドインそれがし

働くことは生きること

吐き出すところもないので、適当にブログなどを書いてみることにしました。
慣れてないので考えが甘い点や目が滑ることもあると存じます。
ご容赦いただけると幸いです。


さて、自分は接客業に務める正社員です。
シフト制で土日祝は関係ない休日ですが、この流行病のおかげで特に予定も無いので不便はありません。
友人とは任天堂の有難い文明利器のおかげでコミュニケーションが取れており、寂しいこともありません。
両親ともに健在、持病はありますがすぐ命に関わることも無く、関係性も良好です。

そんな自分の最近の疑問。






もしかして:手取り低すぎるのでは?






あまり晒しすぎると怖いのですが、基本給は9万円届いておらず、複数の手当が付いてます。そこから控除項目がつらつらと引かれ、残って18万と少し。

結構貰えてると思いますか?
これ、通勤手当2万5千円を引いたら15万5千円です。
…………15万5千円?????

これが、世に聞く手取り15万円ということだったのか。
先日初めて自覚したのでした。






事の発端は一人暮らしを一念発起したことでした。
社会人として働き始めて数年が経ち、兄弟も良い頃合を各々で見つけて独り立ちしていきました。
末子の自分もそろそろかなと思い立ち、両親にもその旨を伝え準備を進めておりました。

立ちはだかるは金策。初期費用です。
これは自分の奨学金が少し手元に残っている為、それに少し貯金も足して元手にしようと考えました。
何分全てが初めてなので不安も多く、父親にこれくらいの金額で大丈夫だろうか、と相談しました。

「いや、少ない。せめて手元に3桁残るぐらいは欲しい」

す、少ない…?
自分としてはだいぶあると思っていた(マジで本当にそう思っていた)ので、目玉が飛び出てしまいました。
父親が提示した3桁というのは、万の位に3桁ということの意味なので、それを基準にしたら準備金の時点でマイナスなのです。
何故3桁残すべきなのか問うたところ、過去に兄弟が過労で倒れ自分の世話も出来ない事態になったことがあり、両親が実家に連れ戻したことがあったそうです。万が一があっても実家に戻ってこられる費用を残しておいて欲しい、という願いからでした。

ここでふと、考えました。

実家暮らしということも相まって、自分がどれほど使っているのか全く考慮しておりませんでした。
諸々の引き落とし口座にその月の引き落とし額が入っていればオールオッケーという自堕落ぶりです。(幸いにも給与口座とは別口)
これはまずい。


果たして1人で暮らすとなったら生きていけるのだろうか。
基本的な家事スキルは一旦横へ置いておき、シュミレーションをしようと自分の月々の手取り金額を算出してみました。
すると、出てきたのが15万5千円。


手取り20万円が大卒新入社員の平均的給与とされている昨今で、まさか自分が平均をダダダッを下回る金額で生活しているとは考えたこともありませんでした。
それは実家のおかげなんだと有り難さを感じる反面、自分は大丈夫!社会問題とは無関係!と思い込んでいた当事者意識の低さに自分のことながら呆れてしまいました。


もちろん、世の中には15万円で1人で暮らす方も多く、サラッと検索すれば15万円で暮らせる術を教えてくれている賃貸情報サイトのティップスページも出てきます。
「暮らせるなら、いいじゃん。悩むことでもないだろう。」という声がうっすら聞こえました。
そういうことじゃないんだよなぁ…とうっすら返事をしました。



そこには選択肢がないのです。
「15万円で暮らせる」というのは「可能」であるというだけで、そこに至るには様々なものを捨てなければ得られないということです。
家賃を下げれば「安全性」や「住みやすさ」を捨てることになったり、食費を抑えれば「健康」や「楽しさ」を捨てることになります。趣味に費やすことも出来ないでしょう。
まだ1人で暮らしていないにも関わらずここまで言うのは、前述の通り生命活動もままならなくなった兄弟の前例を見ていたからです。自分が生きていくには、働く必要があって、でも貰えるものが少ないと、生命活動だけになってしまう。最悪死ぬかもしれない。


ドラマ「ハケンの品格」で、主人公である大前春子氏はこのように言います。

「働くことは生きること」

「生きること」とは、ご飯を食べて、寝て、仕事に行って…を繰り返すことではなくて、美味しいご飯を食べたり、寝る前に少し友達や家族と会話したり、仕事帰りにコーヒーを飲みにいくことまで含まれていると思います。
手取り15万円はそれが出来るか出来ないかのスレスレということです。



冒頭の疑問に「もしかして」と枕詞は付けましたが、自分の考えで言うと「多分」とか「十中八九」くらいは付けていいかと思っています。
覚悟を決めて捨てるものを見極めながら一人暮らしをスタートさせるのか、あるいは現状に甘んじて実家暮らしを続けるのか。
この手取り15万5千円をひっそりと撫でながら、今夜も悩んでおります。